アミューズメントワーク

企業で働く人たちの仕事上の悩みを分析し、解決策を一緒に考えます。

ベテラン


ある企業が実施したアンケート調査によると、だいたい入社して10年を超えると“ベテラン”という結果が出ています。おそらくアンケートに答えた方々が行っている(あるいはイメージする)仕事に熟達するのに10年位掛かると思っているということなのでしょう。
スポーツの世界では競技によって異なりますが、野球では35歳前後からベテランの域になるのではないかと思います。20歳を起点にすると、約15年位になります。ベテラン選手のプレーには、安定感があり、安心して見ることができる一方で、それくらいの年齢に達すると体力的な衰えや、長年酷使してきた体のどこかに故障が出てきて、フルで試合に出場出来なくなるというのも事実です。要するに体力的な衰えを経験でカバーしながら結果を出せる人が、現役を長く続けられるということになると考えられます。
さて、ビジネスの世界における仕事(知的労働の場合)のパフォーマンスは、スポーツの世界と違って体力によるところが少ないのは明らかです。定年を過ぎた専門職なら別ですが、ベテラン社員だからといって、週に3日だけ出勤すれば良いなどという会社はありませんよね。それではベテラン社員の課題とはなんでしょうか?ビジネスの世界では、市場のニーズが変わったり、業務を遂行するために必要なスキルも日々変わっています。コロナ禍でリモートワークの普及が急に加速したのも、この一つの例だと考えます。こういった変化に追いついて行けないと、折角の経験値を活かすことが出来ずに、辛い思いをすることになります。
ベテラン社員になると経験が豊富なため、過去の成功事例に余計頼ってしまうということなのでしょう。経験を積めば積むほど時代の変化に敏感になって、自らのキャリアをアップデートし続けることが重要だということになりますね。

5,000アクセス達成!


一昨日(4月22日)、通算アクセス数が5,000を超えました。
仕事、会社の切り口を大きく逸脱しないことを念頭に、読者の皆さんに理解していただけたかどうかに多少の不安をいだきながらも記事を書き続けてきました。これを飽きずに読んでくださっている皆さんに、改めて感謝したいと思います。
これからも10,000アクセスを目指して記事を書き続けたいと思っていますので、よろしくお願いします。
取り上げて欲しいテーマやご要望等あれば、是非“コメントを書く”からご連絡くださいね。(館長)

現状維持は退化

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先日ある人の話を聴きながら、ノートに「現状維持は退化」とメモをしました。その話は「会社を今のまま維持するには」といった内容で、「それじゃダメだなぁ」と思ったからです。それなりに利益が出ている会社であっても、今のままを維持しているだけでは、従業員の給料は上げられない、設備が年々老朽化しても更新出来ない等々、そのうち会社の運営が厳しくなるでしょう。社会環境に順応して、顧客のニーズの変化に対応していかないと、売上も減少していくことは容易に想像がつきます。
これは個人としても当てはまるのではないでしょうか。「今のままが心地良い、何かして失敗したら嫌だ」などと自ら現状維持を決め込んでしまうと、周りが進化している中で取り残されてしまいます。確かに自分は変わっていませんが、自分を取り巻く環境や人達が変化していくので、相対的に自分だけが取り残されて退化してしまうことになります。
そんなことを考えながら何気なく“現状維持は退化”と書いてGoogleで検索してみたら、ウォルト・ディズニーの言葉が出てきました。”ディズニーランドはいつまでも未完成である。この世に創造力があるかぎり成長し続ける。現状維持では退化するばかりである。”というものです。
「なるほど」と思いながら、今度は“現状”の対義語(反対の意味)が知りたくなって、再度Googleで調べてみました。いくつか異なる表現がありましたが、その中に“現状⇔理想”というのがありました。会社も個人も、そしてディズニーランドも“理想”を追い求めるということが、進化するということなんですね。

ブレイクタイム(久し振りのプレゼン)

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記事掲載の間隔が少し開いてしまいました。
実は契約先の企業から全社会議でのプレゼンテーションを依頼され、資料作りに四苦八苦していました。と言うのも、具体的なテーマが提示されていなくて、会社の状況を考えながら従業員の方々に対してメッセージ性がある内容にしなければなりませんでした。その会社は従業員が10数名の設備工事会社で、ほとんどの方が現場作業を担当しています。年齢層も20代から60代と幅広く、話のネタはいくらでもあると思っていましたが、この条件に当てはまる話となると、直ぐには思い浮かびませんでした。
まず、アミューズメントワークの記事を最初から読み返し、使えそうなネタ探しから始めました。かつて自分が書いた記事なのに、改めて読み返してみると「ほ~、なるほど」などと感心しながら、想定以上に時間が掛かってしまいました。
いくつかの記事(テーマ)をピックアップして今度はPower Pointにする訳ですが、それぞれのテーマをどの様につなげるか?そして私のプレゼン資料は、出来る限り文字にするのは重要なポイントだけにして、印象に残るようにイラストや図形を駆使してアニメーションも多用します。連日夜更かしをして何とか仕上げましたが、そこからアニメーションの動作確認をして、さらに時間を計りながら喋る内容を確認します。
先週無事に本番を終えました。私にとっては久し振り、更にこのブログの記事を扱ったプレゼンは初めてでした。思った以上に皆さん真剣に聞いてくれていたので、こちらも熱が入り、予定では30分程度だったのを45分も喋ってしまいました。

ノート(メモ)の取り方

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会議や打合せ、あるいは上司からの指示や顧客との商談などでは、重要な事柄は忘れない様にメモを取ります。ところが、この“メモを取る”というのが意外と難しく、➀メモを書いている間は話が聞けていない、②話を聞きながら殴り書きをすると、後で見ても分からないことがある、③キレイにメモを取っても、後から見ることはほとんどない、など皆さんも思い当たることがあるのではないかと思います。
大人数での会議や打合せの場合は、自分が発言する機会も限られているので、比較的メモを取り易い環境ではないかと思いますが、一方的に指示を受ける場面や、1対1での対話の場合は、➀や②の問題が発生します。
私も色々と試してみましたが、2つの方法に辿り着きました。まず一つ目は、相手の話の趣旨を理解するために聴くことに集中し、出来る限りメモは取らないという方法です。ただし、数字(特に期日や時間)と固有名詞は必ずメモします。そして、話が終わってから出来る限り早いうちに(遅くとも24時間以内位に)話の内容を自分のノートに記述します。こうすると自分が理解した内容を整理して書くことになるので、話の途中で取ったメモに比べると、後から見ても理解し易いノートになります。また、話を聴くこと(インプット)と、記述すること(アウトプット)を行うことになるので、理解度が深まるという利点があります。
もう一つは、先にノートを完成させておくという方法です。議題が決まっている打合せの場合は自分の意見や考え、顧客との面談では訊き出したいこと等を事前にノートに整理して記述しておきます。こうすることで、話の最中は必要に応じて線を引いたり、簡単な言葉を足したり、あるいは違っていたところを修正するだけで済みます。
実は、今でもこれらの方法は実践しています。歳をとって記憶力も衰えて来ていますが、これらの方法は私の中ではとても有効です。興味のある方は是非試してみてください。

インタラクティブ

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自社の製品やサービスを顧客にPRするために、社内でトレーニングを行ったり販売資料を作成したりします。顧客からの質問に的確に答えられるように、Q&Aなども準備するケースもあるでしょう。多くの営業担当の方々は、これらのトレーニングや資料を基に、一貫した情報を顧客に提供することを企業に求められています。一方、顧客からの要望や製品・サービスに対する意見も正確に聞き取り、適切に企業に対してフィードバックする必要がありますが、こちらのトレーニングに費やす時間は圧倒的に少ないのが実態だと思います。
その失敗例として、ある営業担当者が自社製品を使っている顧客から「おたくの製品は、性能も品質も他社に比べてとても良いですよ。ただ値段が高いんだよね。」と言われました。会社に戻って、その製品の販売責任者である上司に対して「当社の製品は他社製品に比べて、性能も品質も圧倒的に良いので、値段も今のままで問題ありません。」と報告しました。数か月後、その顧客から注文が入らなくなり、調べてみると全て他社製品に切り替えられていた、というものです。
せっかくユーザーが、「当社の製品は他社製品に比べて“値段が高い”」という情報を与えてくれていたにも関わらず、「性能も品質も他社に比べてとても良い」という評価を「値段が高くても許容してもらえている」と勝手に判断してしまったことによる失敗です。せめて「顧客は当社の製品の性能、品質にとても満足してくれていますが、価格が高すぎると指摘を受けました」と報告すべきだったでしょう。
情報は一方向ではなく、逆方向にも流れます。「双方向(のやり取り)」をインタラクティブと言います。情報を正確に聞き取り、適切に伝えるということも意識して実践してみてください。

人生100年時代

皆さんは日本人の平均寿命をご存じでしょうか?厚生労働省が発表した2020年の平均寿命は、男性が81.64歳、女性が87.74歳です。私はこの数字を見て「85歳まで生きられれば平均以上」と思っていました。しかし平均寿命というのは、0歳においての平均余命なので、例えば還暦を迎えた人の平均余命(60歳まで生きた人があと何年生きるか)とは違うんですね。私の年代では「90歳まで生きる確率は46%、95歳まで生きる確率はその半分の23%」だそうです。すなわち、今生きている同級生の約半分は90歳まで、4人に1人は95歳まで生きることになります。「ひょっとしたら自分もこの中に入るかも」と思える確率ですよね。
ここで改めて「人生100年時代」ということの現実味を感じました。私は60歳で現役を引退しました。60歳以降ひょっとすると35年間も(23%に入った場合)生活しなければならないことになります。65歳から年金は受給できますが、3年程前に騒がれたように、生活費を賄うほどは貰えません。私の年代でこの状況なので、さらに若い方々は本当にかなりの確率で100歳まで生きてしまうことになるのではないでしょうか?
今の年金制度も限界にきているので、間違いなく受給年齢は延長されるでしょう。ご存じの方もいると思いますが、今年の4月から高齢者雇用安定法が改訂されて「70歳までの就業機会の確保」について事業主に対する“努力義務”が課せられます。これによって企業における定年も延長される方向で進むとは思いますが、果たして役職定年まで延長することを検討している企業はあるのでしょうか?
ちなみに、もし定年が70歳まで延長されたとして、あなたは今の仕事を70歳まで続けたいと思いますか?
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仕事が言訳

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将来のためにやっておいた方が良いことについて考えてきました。自分は将来こうなりたいという明確な目標でなくても、漠然としたもので良いと思っています。ただし、そのために今何をやるべきか、あるいはやっておいた方が良いか(将来の選択肢を増やす)ということは、具体的にしておくべきだと思います。前々回記述した「将来に向けての準備」ということです。
ところが、それは分かっていても、なかなか行動に移せない人も多いのではないでしょうか。何かを始めようとした時に、二の足を踏んでしまうことがあると思います。これは私も経験しましたが、「今の仕事が忙しいから」という、自分にとって都合の良い言訳をしているケースが、少なからずあるのではないでしょうか。現状(今の会社や仕事)を打破するために、一歩踏み出そうとするのですが「やっぱり今仕事が忙しいから来週、いや来月にしよう」などと先送りにしてしまうようなことです。
日常的に仕事や会社に不満を抱いているにも関わらず、現状に甘んじて何も行動を起こさない理由にも“仕事”を持ち出してしまうという、全く理屈に当てはまらない状況を自ら作り出している訳です。この状況こそ打破しなければいけませんね。
特にコロナ禍で、新しいことにチャレンジすること自体が困難な状況で、“コロナ禍”(自粛生活)が行動を起こさない正当な理由になっています。確かに感染のリスクは避けるべきだと思いますが、出来る範囲でチャレンジすることは忘れないでください。くれぐれも前述のような“負のスパイラル”に陥らない様、気を付けましょう。

自分の仕事

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前々回「役職定年」の記事の最後の方で、早期(希望)退職についてサラッと触れました。また約1年前(2021年1月21日付の記事)にも早期退職の新聞記事を取り上げました。(募集人数よりも多い応募があること、経営難ではなくても黒字企業でも行っていること等がありました。)これらは、優秀な人材が手を上げる(退職する)という企業にとってのマイナス面があったとしても、世代の循環が必要だと考えている企業があるということなのでしょう。
リクルートグループにはユニークな早期退職制度を導入している企業があるようです。大企業であり、グループ会社の統合や分社等が行われていて、人事制度も頻繁に見直されているのではないかと思われますが、35歳から3年目毎に退職金の上積みがあるそうです。(勤続年数による制限はあると思われますが)要するに、35歳、38歳、41歳、44歳、47歳が辞めるのにラッキーな年ということになります。
実際にどの様な運用がなされているか分かりませんが、こういった制度があると社員も意識せざるを得ないのではないでしょうか。例えば38歳で辞めなければ、3年後(41歳で)自分はどうするか?ということを考えるでしょうし、47歳が最後のチャンスだとすると、かなり真剣に進退(自分はこの会社で骨を埋めるのかどうか)を考えるのではないかと思います。その準備について30代から意識するのと、50代で役職定年を迎えてから考え始めるのとでは、仕事への向き合い方や生き方(人生)についての考え方も変わってくると思います。
会社が社員に対して辞めることを推奨しているという違和感も覚えますが、前述の様な個々の意識を高め、それが現業の成果につながるという効果もあるのかも知れません。皆さんも会社の制度に頼らずとも、自分で決めたタイミングで「自分の仕事」について考えてみてはいかがでしょうか。

将来に向けての準備

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前回役職定年について記述しました。会社一筋で一生懸命仕事をしても、多くの人はどこかのタイミング(多くの場合は50代)で役職定年を迎えて、収入が大幅に減少するという現実があることが分かりました。これまで部下だった人が、ある日突然上司になるという変化に耐えられるメンタル(または企業内にそれを受け入れられる環境)があれば、長年勤めた勝手知ったる会社で65歳まで仕事が出来て、それなりの収入を得ることが出来れば悪くないとも考えられます。それでは65歳以降はどうするのでしょうか?会社一筋であればあるほど、会社との関係が無くなることで、自身の身の置き場に困ってしまうことになるでしょう。遅かれ早かれ、会社という組織から卒業して、無所属になる時期が来ることを理解しておくことが必要です。
「今から定年後のことなんか考えられない」という人も多いかも知れませんが、“自分”はどの様に生きるのか?どの様な人生を送るのか?について意識することは重要だと思います。会社に対する不満(愚痴)はしょっちゅう口にしているのに、自分の今後の生き方は会社が決めている制度次第で…、なんていうのは残念な話ですよね。愚痴を溢しながらでも、せめて将来に向けての準備を行っておくべきだと思います。
それでは将来に向けての準備とはなんでしょうか?将来やりたいことがはっきりしている人は、それに向けた準備(例えば資格を取得したり、特定のスキルを身に付けたり)をすれば良いと思いますが、それ以外の多くの人(私もそうでした)は、“選択肢を増やす”ということを心掛けてみてください。今の仕事を通じて専門性を深化させることも必要ですが、知識やスキルの幅を広げる努力を継続することが重要だと考えています。転機を迎えた時に「自分はこれしか出来ないから」ということになると、自ずと選択肢を限定してしまって折角のチャンスを逃してしまうことにもなるでしょう。
役職定年制度から将来に向けての準備という話に展開してきましたが、次回さらに理解を深めてみたいと思います。