アミューズメントワーク

企業で働く人たちの仕事上の悩みを分析し、解決策を一緒に考えます。

ルーティーン

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ルーティンというと「決められた方法」「繰り返されるもの」といった意味で使われます。すぐに頭に思い浮かぶのは、イチロー選手がバッターボックスに入って、右手でバットを立てて、左手でユニフォームの右肩のあたりを摘まむ動作ですね。イチロー選手に限らず多くのスポーツ選手は、競技に入る前のルーティーンを持っています。これらは、集中力を高めて自分のベストなパフォーマンスを引き出すために行うものだと思います。言い換えると、余計なことを考えて臨むと本来のパフォーマンスが出せないことから、「いつも通り」の状態に自分を持っていくということでしょう。
仕事にもルーティーン(ルーチン)ワークというのがあります。一般的には定形化(標準化)された業務のことを指しますが、業務プロセスを標準化することで効率を上げたり、実施担当者によるアウトプットのバラツキを無くしたりするという効果が得られます。これを先のスポーツ選手の例に当て嵌めてみると、業務プロセスの中に判断業務を無くす(余計なことを考えさせない)ことによって、実施担当者の最大のパフォーマンスを引き出す、ということにもなると考えられます。
ところが、ルーティーンワークと呼ばれている業務でも、実際は多くの判断が必要だったり、それを熟練者のスキルや経験に頼っているケースが多々あるのではないかと思われます。本来のルーティーンワークを目指すのであれば、初期の業務設計だけに頼らず、常に例外的なケースを見つけて、判断が不要なプロセスに近づけて行くという継続的な改善が不可欠です。
さて、以前素潜り(酸素ボンベ等の器具を着けずに海底に潜る)の世界記録保持者(100m以上潜るそうです)がルーティーンについて語っているのを聞いたことがあります。それぐらい深く潜ると意識を失ってしまうことがあるようです。当然ながら100mの海底で意識を失ったら命も失うことになります。そうならないためには、無事に海面上に戻るための操作を無意識の中で出来るようにしておくことが必要だとのことです。正に究極のルーティーンですね。
「いや、私も飲み過ぎて意識が無くなっても、家に帰れる」などと言っている人は、間違いなく生活パターンの改善が必要です。