アミューズメントワーク

企業で働く人たちの仕事上の悩みを分析し、解決策を一緒に考えます。

ムリ、ムラ、ムダの削減

ムリを強行に推し進めると多くのムダが発生してしまうんですね。(館長)

 

改善活動の基本として“ムリ、ムラ、ムダの削減”というのがあります。ほとんどの方が耳にしたことがあると思いますが、果たして正しく理解出来ているでしょうか?教科書には「ムダは“目的<手段”」「ムリは“目的>手段”」「ムラは“目的<手段”と“目的>手段”の混在」などと説明されているケースがありますが、分かり易い例で説明したいと思います。
アベノマスクです。確かアベノマスクの目的は「①マスク不足の解消(布マスクは洗って再使用出来る)、②不織布マスクを医療従事者に優先的に仕向けることができる」ことだったと思います。まずここでの“ムリ”は1億3千万枚ものマスクを短納期で、しかも布製マスクの生産実績がほとんど無いメーカーや商社に委託したこと、“ムラ”は納期優先で委託契約には品質に関する基準が無く、品質のバラツキが大量の不良品を発生させたこと、“ムダ”は結果として不良品の回収、検査費用に追加で6億円、さらにようやく配り始まったアベノマスク自体(既に市場には不織布マスクが流通していて、回収ボックス行きになっている状況)ということになります。
業務改善活動においては、ムダの削減(費用や時間)が主体で進められるケースが多いのではないかと思いますが、それ以前にムリの削減、要するに目標の設定や実行プランの妥当性を検証することが重要だと考えます。