アミューズメントワーク

企業で働く人たちの仕事上の悩みを分析し、解決策を一緒に考えます。

ブレイクタイム(情けは人の為ならず)

“情けは人の為ならず”という諺があります。 「情けを掛けるのは人の為にならない」という意味に間違って理解されていることがあるようですが、これは「人に情けを掛けると巡り巡って自分のためになる」というのが本来の意味だそうです。私はこの諺には多少違和感を持っています。“情けを掛ける”という行為はあくまで主観的な判断によるもので、情けを掛けられる立場の人は、本当にそうして欲しかったのか分からないのではないかと思います。ひょっとすると「余計なお世話」と言われるかもしれません。“情けを掛ける”が善行とは限らないということです。
少々話が難しくなりますが“資本主義が進むと利己的になる”と言われています。簡単に言うと“頑張った人がその分見返りを得る”という仕組の下では“自分が”という考えになるということです。資本主義の進んだ米国では国民が利己主義に走るのを抑えるためにボランティア活動が盛んになったそうです。要するにボランティア活動自体は社会的に善行であるものが対象となっていて、“自分が”自らの意思で参加する(情けを掛ける)ことの正しい受け皿になっているということです。
ということは「情けは人の為に掛けるのではなく、(自分が掛けたいから)自分の為」というのが当てはまるような気がします。改めて諺の出所を調べてみました。いくつか説はあるようですが、その一つで新渡戸稲造作の唄に「施せし情は人の為ならず、おのがこゝろの慰めと知れ」というのがありました。古文は得意ではありませんが、これは正に“心のマスターベーション=自分の為”と言っているように思うんですけど。