アミューズメントワーク

企業で働く人たちの仕事上の悩みを分析し、解決策を一緒に考えます。

緊急事態宣言から2週間

緊急事態宣言から2週間が経ちましたが、皆さんの仕事にはどの様な変化が起きているでしょうか?テレワークの推進や時差出勤の影響で都内の通勤時間帯の混雑状況はだいぶ軽減されているようですが、今後数日間での感染者数の変化(減少)に注目したいところです。

しかしながら病床数や医療従事者の不足による医療崩壊が懸念され、PCR検査自体を制限している状況です。ニュース等の情報からすると、現在発表されている感染者数のデータは、体調を崩して発熱、肺炎症状が認められた人の中で陽性となった人(及びその濃厚接触者で陽性)の数だと思われます。

私が思い出すのは工場を管理している時に、生産設備の不具合が原因で生産効率を落としている実態がありました。改善のために生産技術のチームが現場に出て是正活動が開始されました。当初10数件の不具合が明らかになり、生産技術チームの活動で翌月の不具合件数は10件、さらに8件、6件と減少していくという活動の成果報告を受けていましたが、一方でそれに見合った生産効率の改善は認められませんでした。

そこで生産技術チームの役割を「出来る限り多くの不具合を発見すること」に変更したところ、翌月には20件以上の顕在化した不具合だけでなく、潜在的な(このまま放っておくと生産に影響を及ぼす)不具合も報告されました。当然その間の生産効率に改善はありませんでしたが、生産設備全体の実態を把握することが出来ました。その後それらを分析し、優先順位を決めて順次対策を実行したところ、顕著に生産効率が改善され始めました。

一旦悪化した状態を改善しようとした場合に、思惑を持って収集したデータでは適正な対応策に結びつけるのは非常に難しいと思われます。いわゆる“モグラたたき”(その場凌ぎの対応)になってしまい、根本対策にはならないということです。

新型コロナウィルスの感染は未知の部分が多く、現状日本での対応に対する課題は多々あると思われますが、未だ”モグラたたき”の段階で、これから実態を把握するためのデータ採取(PCR検査のキャパアップ、抗体検査の実施等)が行われ、本来の防止策についてはその後実行されていくことになるのではないかと思います。

生産技術チームだけに任せるのではなく、生産担当の我々一人ひとりも状態を悪化させない努力が必要ですね。(館長)