アミューズメントワーク

企業で働く人たちの仕事上の悩みを分析し、解決策を一緒に考えます。

忙しい人の落とし穴


2023年もあっと言う間に2週間以上が経過してしまいました。私も契約先の一通りの企業とのやり取りが始まり、また始まったと共にやらなければならないことが山積みになってしまいました。
時間に追われて業務をこなさなければならない状態は、間違いなく“忙しい”ということになりますが、実は一番楽な状態なんです。例えば出荷した製品に不具合が発生して、今日中に代替品を出荷、3日以内に不具合の原因を調査して顧客に報告しなければならない状況になったとします。担当者としては大変ですが、仕事の優先順位は明らかで、まずは最優先でクレーム対応を行い信頼回復に努めることになります。上司も会社としてもそれに異論はないはずです。
さて3日後、何とか代替品を出荷して報告書も提出することが出来、顧客にも迷惑を掛けずに済ませることが出来ましたが、その間の他の客先からの問い合わせや注文が溜まってしまい、今度はこれらの対応が最優先の業務となります。いわゆる“仕事に追われている状態”になっている訳ですが、この状態が慢性化すると半年先の設備投資計画だったり、業務改善活動に全く手が着けられず、いつまで経っても効率の悪い業務の繰り返しになってしまいますね。仕事の優先順位を自分で決めなくても、目の前の仕事をこなせば良いことになるので「一番楽な状態」という表現をしたわけです。
さらに、この担当者はクレーム対応や受注処理を行うスキルは向上するかも知れませんが、計画を立てたり、それに基づいて仕事を進めるというスキルは全く身に付きません。その会社にとっては「よくできる優秀な人材」という評価をもらえるでしょうが、ビジネスパーソンとしてのスキルは低いということになってしまいます。
皆さんはこのような状態に陥っていないでしょうか?どこかで時間をみつけて、これまでの状態を振り返ってみるのも必要です。