アミューズメントワーク

企業で働く人たちの仕事上の悩みを分析し、解決策を一緒に考えます。

ディファレンスゾーン

私は今後10年間で、ガソリンスタンドがどの様に変貌を遂げていくのか、またエネオス、出光、コスモなどの石油元売り企業の対応に非常に興味があります。(館長)

Googleで検索しても出て来なかったので、おそらく造語だと思われますが、製品性能が経時的に向上するのに対して、“圧倒的に差別化が出来る性能”領域のことを指してディファレンスゾーンと呼びます。分かり易く説明するために、ガソリン車の燃費の推移(国土交通省発表)のグラフを添付してみました。
f:id:amusementwork:20210518221158p:plain
1998年には11.6km/Lでしたが、20年後の2018年には22km/Lと約2倍に伸びています。これはこれで素晴らしい技術革新(性能の向上)だと思いますが、連続性があり、30km/Lのガソリン車が開発されるまでは、あと10年かかるだろうということが想定されます。燃費が30km/Lと言えば現在でもハイブリッド車がありますが、添付表(ガリバーの試算)を見ると10万km走行した場合のコストパフォーマンスを比較するとガソリン車とハイブリッド車の差はほとんどありません。となるとどちらを選ぶか悩ましい所です。
f:id:amusementwork:20210518221301p:plain
さて、もしここで50km/L走る自動車が同程度のコストで開発されたとすると、おそらくほとんどのユーザーが飛びつくのではないかと思います。ガソリン車の燃費で考えると、この領域(50km/L)は明らかにディファレンスゾーンと言えます。要するに技術革新を右肩上がりの連続と考えずに、一気に高い目標(ディファレンスゾーン)に辿り着くための方法を考えることで、圧倒的な差別化が図れるということです。
ここ数年燃費の平均値はほぼ横ばいです。政府が2035年までに(東京都は2030年)ガソリン車の新車販売禁止の戦略を打ち出したことで、自動車メーカー各社もガソリン車の燃費向上への投資はメリットが無くなってしまいましたね。