アミューズメントワーク

企業で働く人たちの仕事上の悩みを分析し、解決策を一緒に考えます。

ブレイクタイム(藤井聡太二冠)

私は常々“品質はロジック”と考えています。実行の質を高めるためには「なぜそうするのか?」といった理屈(理論)を深く考えることが必要だということです。(館長)

 

先日王位戦に勝利し、棋聖との二冠となった藤井聡太君、彼の登場と同時に将棋界もAI時代などと言われるようになりました。藤井君が将棋ソフトで研究をしているとか、対局の最中もAIが有利不利を数値化したりしています。特にこの一手が勝ちにつながったと言われている王位戦最終局の1日目の封じ手次の一手を記述して立会人に預ける)が、4億手のデータをAIで解析しても出てこなくて、データを6億手に増やすと最善手(最も効果的な指し手)として現れるなどといわれたりもしていました。

私はもっとシンプルに彼のスゴさを現している言葉を(確か)ワイドショーで観ました。彼は「AIがなぜその手を指したのか理由を考える」と言っていたそうです。そもそもAIは、結果(過去のデータ)を見てルール(定石)を学習するものです。したがって、それによって導き出した結果についての理由は説明出来ないと考えられます。

企業も競走上の優位性を確保するためにAIの導入に多大な投資を行っていますが、そんな中で“人間は、AIが下した決定の理由を答えられなければならない。それを実現するのがXAIExplainable AI:説明可能なAI)だ。AIの決定に基づいて行われた結果の責任をAIに転嫁することはできない。[Computer Weeklyより]といった提言も行われています。確かにその通りだと思います。

改めて、藤井君は自らAIが出した答えに対してその理由を考えている訳で「AIを凌駕している」と言われるのも納得してしまいます。スゴイ18歳です。