アミューズメントワーク

企業で働く人たちの仕事上の悩みを分析し、解決策を一緒に考えます。

自己実現

前回の記事で「自分がやりたいこと」を自己実現と表現しました。「自分がやりたいこと」について考えているうちに、米国のアブラハム・マズロー(1908年~1970年)という心理学者が提唱している、欲求5段階説というのを見つけました。心理学を勉強した人はご存じかも知れませんが、欲求5段階説を表した図を見ると、ピラミッドの一番上が「自己実現欲求」になっています。この説は 「人間は自己実現に向けて常に成長し続ける生き物」という仮説のもとに考えられていて、下の欲求が満たされると、その上の欲求を満たそうとすると言っています。

自己実現欲求というのは、他の誰にも成し遂げることができないようなことを自分が成し遂げたいという思いや、自分らしくありのままに生きていきたいという欲求のことだそうです。なるほど、何となく「自分がやりたいこと」と自己実現が結びついてきたように思われます。ところが、このピラミッドを見る限り、自己実現欲求を満たすには、ずいぶん多くの欲求が満たされないと辿り着けないんですね。
さて、自己実現欲求の一つ下は承認欲求になっています。ということは、承認欲求が満たされないと自己実現欲求には進めないということになります。したがって「自分がやりたいこと」は、 誰かから認められる、あるいは自分は価値ある存在であると認識できることが前提になると考えられます。社会における他者との関りが無いと、それも満たされないということなんですね。社会に関わる中で「自分がやりたいこと」が見えてくる、というのは理解出来るように思われます。次回以降、もう少し考えてみたいと思います。