アミューズメントワーク

企業で働く人たちの仕事上の悩みを分析し、解決策を一緒に考えます。

「名選手、必ずしも名監督ならず」のはずなのに


おそらくほとんどの方が聞いたことがある言葉だと思います。中には現役時代に好成績を残した選手が、後に名監督と呼ばれた例もありますが、一般的に名選手と呼ばれる人は、生来才能に恵まれていて自らのパフォーマンスが優れているために、緻密な作戦やチームプレーと関係なく現役時代を過ごして来ていて、勝つための作戦を練るとか、選手を育成するという監督業には向いていないと言われています。
おそらくビジネスの世界でも同じことが言えると思いますが、スポーツの世界と異なっているのは、ほとんどの職種で何年か経つとマネージャー(監督・コーチ)にならなければならないということです。一般的に企業では、実務で成果をあげられる人が早く昇進・昇格し、その先にはマネージャーというポジションが待っています。いわゆる名選手が早く監督になる仕組みになっている訳です。ということは、先の理由からも自ずと名監督が良まれ難い仕組みだと言えますね。確かに今までバリバリ注文を取ってきていた優秀なセールスマンが、課長になった途端に成果が挙げられなくなって、本人もメンタル的に参ってしまうというような話は聞いたことがあります。
やはり企業としては、入社直後からマネジメント教育を実施し、ある程度マネージャーとしての適正を見極めておく必要があると考えます。一方で、社員として企業に入社したからには、マネジメントについても常に意識して勉強しておくことが重要だと思います。
私の場合は40歳を過ぎて、それなりのポジションになってからマネジメントの勉強をさせられました。P.F.ドラッカーの本も何冊か読みました。おかげで2009年に“もしドラ”(もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら)が発刊された時には、かなり楽しく読むことが出来ました。