アミューズメントワーク

企業で働く人たちの仕事上の悩みを分析し、解決策を一緒に考えます。

仕事継続計画(JCP=Job Continuity Plan)

JCPだけで本が1冊書けるくらい重要な課題が満載ですが、前向きな転職の場合にも応用できると思います。(館長)

 

BCP(事業継続計画)についてもう少し理解しておきたいと思います。BCPとは「企業が、テロや災害、システム障害や不祥事といった危機的状況下に置かれた場合でも、重要な業務が継続できる方策を用意し、生き延びることができるようにしておくための戦略を記述した計画書」というものです。

さて、前回これを個人レベルに落とし込んでみるという提案をしました。前述のBCPの定義の中で危機的状況を(理由はともあれ)退職しなければならない状況と置き換えて考えてみましょう。さらのその状況下で「仕事(=収入源)が継続できる方策を用意し、生き延びるための戦略を記述した計画書」ということになります。要するに「いざ」という時に、どの様な行動を取るかということを予め考えて準備をしておくということです。BCP(Business Continuity Plan)に対して、個人の場合JCP(Job Continuity Plan)とここでは呼ぶことにしましょう。

JCPは個人個人で異なるので、各人で考える必要がありますが、いくつか重要なポイントを挙げてみます。①職務経歴をまとめておく、②自らの強みを明らかにしておく、③転職サイト等に登録し、日常的に求人情報を入手しておく、④現職での人的ネットワークの構築等、これ以外にも資格取得やスキルアップも考えられます。キャリアプランでも同じようなことが言われていると思いますが、JCPの場合、例えば想定する危機的状況が現在のコロナ禍のように旅行・観光業や飲食業等、特定業種に厳しい影響を与えることになると、同業種への転職は難しい状況になります。“自らの強み”は業界知識・経験だけでなく、職種(営業・技術・事務等)についても明らかにしておく必要があると考えます。

また、一旦退職してから次の仕事に就くまで、雇用保険(失業保険)や健康保険、あるいは年金や納税等、会社勤めをしていると会社に任せきりのことを全て自分でやらなければならなくなります。これら全てが予期せず一気に個人に降りかかってくるとなると、確かにパニックになってしまう可能性が高いですね。平時からこれらの仕組みを少しづつ理解し、準備しておくこと(JCP)は、個人のリスク管理の観点からとても重要だと思います。